
結論から言うと、カメラを始めたばかりの人に大三元は必要ありません。まずは24-70mm F2.8 GM IIを1本買うか、小三元で十分です。
暗い場所・動きの速い被写体・失敗できない撮影が増えてきたら、そのときが大三元に上げるタイミングです。
ぼく(チュートラフォト / ブログ「αの視点」)はSONY α7IVとα7CIIを使い、現在は大三元3本(16-35mm F2.8 GM II・24-70mm F2.8 GM II・70-200mm F2.8 GM II)をすべて所有しています。1本30〜43万円のレンズを3本揃えた総額は約106万円。その価値があるかどうか、実際に使い続けている正直な感想をお伝えします。

この記事でわかること
- 大三元を3本(約106万円)揃えたぼくの正直な結論
- 小三元で十分な人・大三元が必要な人の見分け方
- 揃えるなら、どの1本から買うべきか
小三元で十分な人・大三元が必要な人【早見表】
小三元は、F4通し(ズームしても明るさが変わらない)のズーム3本のセットです。大三元より暗いぶん、安くて軽いのが特徴です。
| 小三元(F4) | 大三元(F2.8) | |
|---|---|---|
| 3本の合計(新品の目安) | 約55万円 | 約106万円 |
| 3本の重さ | 約1,810g | 2,287g |
| 向いている撮影 | 明るい屋外・旅行・風景 | 室内・夜・動く被写体・失敗できない撮影 |
| こんな人に | 荷物を軽くしたい人・予算を抑えたい人 | F4では暗くて撮れない場面が増えた人 |
※F値(数字が小さいほど明るく撮れて、背景もボケる)。F2.8はF4の約2倍の光を取り込めます。
SONYの小三元は、次の3本を指すのが一般的です。
- FE PZ 16-35mm F4 G(約353g)
- FE 24-105mm F4 G OSS(約663g)
- FE 70-200mm F4 Macro G OSS II(約794g)
正直に書くと、ぼくは小三元を持っていません。重さと価格はメーカー公式・販売店の情報をもとにしています。
大三元を使っていてF2.8の差を感じるのは、主に夜や室内、子どもや動物を撮るときです。日中の旅行や風景がメインなら、小三元で困る場面は多くないはずです。
大三元レンズとは何か:基礎から理解する

「大三元」と呼ばれる理由
大三元レンズとは、広角・標準・望遠の3焦点域をF2.8通しのズームで揃えたセットのことです。麻雀の「大三元(特定の3牌を揃える最高位の役)」から来ており、3本揃えて初めて完成するという意味合いがあります。
なぜF2.8が重要かというと、ズームレンズは通常、ズームするにつれてF値が変わります(例:18-135mm F3.5-5.6)。大三元はどの焦点距離でもF2.8が維持されるため、暗い場所でも明るく撮れる・ボケを一定にコントロールできるという大きなメリットがあります。
SONYの大三元ラインナップ:GM IIシリーズ
2022〜2023年にかけて、SONYの大三元はすべて第二世代(GM II)に刷新されました。初代GMから大幅に軽量化され、AF性能も向上しています。
| レンズ | 焦点距離 | 重量 | 最短撮影距離 | フィルター径 | 参考価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| FE 16-35mm F2.8 GM II | 16-35mm | 547g | 0.22m(W) | 82mm | 約30万円 |
| FE 24-70mm F2.8 GM II | 24-70mm | 695g | 0.21m(W) | 82mm | 約33万円 |
| FE 70-200mm F2.8 GM OSS II | 70-200mm | 1,045g | 0.40m(W) | 77mm | 約43万円 |
| 3本合計 | 16-200mm | 2,287g | — | — | 約106万円 |
※価格は記事執筆時点の参考値です。
GM IIシリーズ3本の特徴と使い分け
FE 16-35mm F2.8 GM II:風景・建築・超広角の主役
初代GM(約680g)から約133g軽くなった超広角ズーム。547gはF2.8の超広角ズームとしては異例の軽さです。
ぼくの使用シーン:富山の雨晴海岸での風景撮影、建物の外観・内観、夜景の光跡撮影。16mmの超広角は「目で見るより広い世界」をフレームに収められる感覚があります。
最短撮影距離が0.22mと非常に短く、広角端で被写体に寄って撮ると独特のパースが出ます。風景だけでなく、テーブルフォトや商品撮影にも意外と使えます。
向いている人:旅行・風景・建築・星景・動画(Vlog含む)をメインにしている人。

FE 24-70mm F2.8 GM II:最も出番が多い万能標準ズーム
3本の中でぼくが最も頻繁に使うのがこの1本。24〜70mmという標準的な焦点距離帯をF2.8通しでカバーするため、「撮る対象が決まっていない日」は必ずこれを選びます。
ぼくの使用シーン:日常スナップ、ポートレート補助(85mm GMを忘れたとき)、旅行の記録、食べ物・物撮り。最短撮影距離0.21mで寄れるため、料理・花・小物もこれ1本で対応できます。
向いている人:「万能に使える1本を持ちたい」というほぼすべての撮影者。大三元を1本だけ買うなら最初にこれ。

FE 70-200mm F2.8 GM OSS II:圧縮効果とAFの頼もしい望遠ズーム
3本中最も重い1,045gですが、初代(1,480g)から435gの軽量化。それでも重いですが、F2.8の望遠ズームとして世界最軽量クラスです。
ぼくの使用シーン:子供や動物の動体撮影、スポーツ観戦、遠距離からのポートレート(圧縮効果で背景が溶ける)、野鳥。OSSⅡによる手ぶれ補正とボディのIBISが組み合わさると、手持ちでも非常に安定します。
向いている人:スポーツ・動体・野生動物・望遠ポートレートを撮る人。3本の中では「最初に買う必要はない」とぼくは考えています。

大三元は本当に必要?正直な判断基準
必要性が高い人
✅ このような人には大三元の価値が高い
- 結婚式・七五三・スポーツなど、失敗できないシーンで撮影する人
- 暗い場所での撮影が多い人(F2.8の明るさが活きる)
- 写真と動画を両立させたい人(ブリージング抑制・高速AF)
- 「レンズを1〜2本に絞って撮りたい」と考えている人
- すでに小三元やキットレンズで限界を感じている人
必要性が低い人
❌ こんな人には大三元でなくていい
- 主に明るい屋外で撮影する人(F4でも十分明るい)
- 旅行メインで荷物を減らしたい人
- まだ構図や露出の基本を習得中の初心者
- 予算を抑えてレンズ複数本を揃えたい人
- 撮影ジャンルが単焦点で十分な場面に限定されている人
ぼく自身の正直な感想として、「大三元が必要になるのは、小三元や単焦点で撮れない場面が増えてきたタイミング」です。最初から大三元を揃える必要はありません。
大三元・小三元・Sigma・単焦点の徹底比較
コスト比較
| レンズセット | 総額(目安) | 重量合計 | F値 |
|---|---|---|---|
| SONY大三元(GM II×3) | 約106万円 | 約2,287g | F2.8通し |
| SONY小三元(F4×3) | 約55万円 | 約1,810g | F4通し |
| Sigma大三元相当(3本) | 約45万円 | 約2,530g | F2.8通し |
| 単焦点3本(50/85/20mm) | 約70万円〜 | 約1,800g〜 | F1.2〜F1.8 |
※価格は記事執筆時点の参考値です。
Sigma大三元との比較
Sigmaの大三元相当レンズ(16-28mm F2.8 DG DN・24-70mm F2.8 DG DN Art・70-200mm F2.8 DG DN OS Sports)は、3本合計で約45万円と、SONY GMの半分以下のコスト。ただし重さは合計約2,530gで、GM II 3本(2,287g)より約240g重くなります。
描写性能の差はあるかというと——ぼくはSigmaを使っていないので、自分で撮り比べたわけではありません。ただ、多くのレビューで「実際の差は小さい」と評価されています。特に24-70mm F2.8は、Sigma(新品約16万円)がGMの約半額で描写に迫ると言われています。
SONYのGMが勝っているのは主にAF速度・ブリージング抑制・軽量化・耐候性の4点。純正ボディとの連携における動画AF性能もSonyが有利です。「写真のみ・静止画中心」ならSigmaは非常に合理的な選択です。
小三元との使い分け
小三元(F4)の最大のメリットは「軽さ」と「価格」。FE 24-105mm F4 Gは1本で24〜105mmをカバーし、重さ約663gでコスパも高い。旅行メインの方は大三元より24-105mm F4 G 1本のほうが現実的な場面が多いです。
ただし夜間・室内・動体撮影など「F4では厳しい場面」が増えてくると、F2.8の大三元の価値を実感します。
大三元を揃えるなら:買う順番の正解
3本を一気に揃えるのは予算的に難しいため、ぼくなりの購入優先順位を提案します。
第1優先:24-70mm F2.8 GM II
万能性が最も高く、「これ1本あれば何でも撮れる」という安心感があります。大三元の中で最も出番が多く、投資対効果が一番高いのがこのレンズです。
第2優先:撮影スタイルによって分かれる
- 風景・旅行・Vlog中心 → 16-35mm F2.8 GM II
- スポーツ・動体・望遠ポートレート中心 → 70-200mm F2.8 GM OSS II
ぼくは24-70mmの次に70-200mmを選びました。スポーツ観戦や子供の動き撮りで望遠の必要性を感じたためです。
第3優先:16-35mm F2.8 GM II
超広角は撮影できる場面が限られるため、最後に揃えても遅くありません。ただし風景・建築・星景がメインの人は第2優先になります。
高価なレンズを3本持つと、保管も無視できません。実際に使っている防湿庫は防湿庫は必要?カメラ保管の現実で紹介しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 大三元は初心者に必要ですか?
A. 初心者には必要ありません。まずは標準ズーム1本で撮影スタイルを確立することを優先してください。
大三元の真価は「撮りたいものが明確になった段階」で発揮されます。使い方がわからない状態で100万円以上を投じても、機材の性能を活かせません。まずはキットレンズや小三元で撮影の基本を身につけ、「もっとここが欲しい」という具体的な不満が生まれた段階でアップグレードを検討するのが最も合理的です。
Q2. Sigmaの大三元相当とSONY GMはどちらがおすすめですか?
A. 写真中心ならSigma、動画も使うならSONY GMを選ぶのがベターです。
多くのレビューでは、描写の差は小さいと評価されています(ぼくはSigmaを使っていないため、自分での比較ではありません)。SONYのGM IIが優れているのは、AF速度・ブリージング抑制・軽量性・防塵防滴の堅牢性。これらが重要な動画撮影・プロ用途ではGMの価値があります。静止画のみでコスパ優先なら、Sigmaは非常に合理的な選択肢です。
Q3. 大三元を揃えたら単焦点は不要になりますか?
A. 用途が違うため、どちらも存在意義があります。
大三元はF2.8が最大絞りのため、F1.2やF1.4の単焦点のような「光が少ない場所で使える明るさ」「圧倒的なボケ量」は出せません。ポートレートでは85mm F1.4 GMや50mm F1.2 GMのボケ感は大三元では代替できない領域です。「大三元=万能性」「単焦点=極致の描写力」という使い分けが現実的で、ぼく自身も両方を用途で選んでいます。
まとめ:大三元3本を揃えた正直な結論
SONY大三元GM IIシリーズを全部揃えた総額は約106万円。それだけの価値があるかという問いへの答えは——「必要になるタイミングが来たとき、確実に応えてくれる」です。
最初から3本揃える必要はありません。
最初の1本は「24-70mm F2.8 GM II」から。
これだけで旅行から人物・日常スナップまで幅広く対応できます。残り2本は、自分の撮影スタイルが明確になってから揃えるのが最もコストを無駄にしない方法です。
「いつか大三元を揃えたい」という夢は持ちつつ、今の撮影スタイルに合ったレンズを1本ずつ丁寧に選ぶことが、長く楽しく写真を続けるための正解だとぼくは思っています。
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