【正直レビュー】SONY 85mm F1.8|ポートレートの実力を徹底評価


目次

はじめに:「85mm F1.4 GMの半額以下。それでも十分使えるのか?」

SONY FE 85mm F1.8——ポートレートレンズとして非常に人気が高い一方で、必ず比較対象になるのが85mm F1.4 GMです。

ぼく(チュートラール)はα7IVとα7CIIをメイン機材に使い、現在の所有レンズは24-70mm F2.8 GM II、70-200mm F2.8 GM II、50mm F1.2 GM、20mm F1.8 G、85mm F1.4 GM、16-35mm F2.8 GM II。つまり85mm F1.4 GMとの直接比較ができる立場でこの記事を書いています。

レンズ選びでぼくが最重視するのは「軽量性と実用性」。その観点から見ると、85mm F1.8は非常に気になる存在でした。

「F1.4 GMよりずっと安くて軽い。それで本当に使えるのか?」

正直に答えます。


このレビューでわかること

  • 85mm F1.8のボケ・解像感は実用レベルか
  • AFの速さと精度はポートレートで信頼できるか
  • 重量・サイズのメリットをどう活かすか
  • 85mm F1.4 GMとの描写の差はどれくらい感じるか
  • 価格差を考えたとき、どちらを選ぶべきか
  • α7IV・α7CIIとの組み合わせ評価

※本記事は「85mm F1.8」単体のレビューですが、筆者が85mm F1.4 GMを所有しているため、随所で比較コメントを加えています。


基本スペック

項目スペック
焦点距離85mm
開放絞りF1.8
最小絞りF22
絞り羽根9枚(円形絞り)
最短撮影距離0.80m
最大撮影倍率0.12倍
フィルター径67mm
サイズ(最大径×全長)78mm×82mm
重量約371g
防塵・防滴なし
手ブレ補正なし(ボディIBIS対応)
希望小売価格(税込)約70,000円前後

外観・サイズ・重さ:これが最大の武器

371gという数字の意味

85mm F1.8の重量は約371g。これは85mmという焦点距離のレンズとしては驚くほど軽い数値です。

比較として手持ちの他レンズと並べると、この軽さの異常さが分かります。

レンズ重量
85mm F1.8約371g
85mm F1.4 GM約820g
50mm F1.2 GM約778g
24-70mm F2.8 GM II約695g
20mm F1.8 G約373g

85mm F1.4 GMと比べると、約449g——ほぼ500mlペットボトル1本分軽い。

α7IVに装着した状態での合計重量はボディ(約658g)込みで約1,030g。GMレンズ主体の機材構成に慣れているぼくには、最初「軽すぎて頼りない」と感じたほどです。

ビルドクオリティ:防塵防滴なしは要注意

ここはデメリットをはっきり書きます。85mm F1.8は防塵・防滴非対応です。

GMレンズに慣れていると、雨天や海辺での撮影でも気を使わずに使えることが当たり前になっていますが、このレンズは天候に気を配る必要があります。屋外ポートレートをメインにしていて悪天候でも撮影する人は、この点を事前に把握しておいてください。

外装はプラスチック系の素材感で、GMレンズのような金属質な高級感はありません。ただし実用上の剛性は十分で、普通に使っていてガタツキや不安感は感じません。


描写性能:ボケと解像感の正直な評価

F1.8のボケ——「十分に美しい」が正直なところ

85mm F1.8のボケは、価格を考えると十分に美しいレベルです。

開放F1.8では背景が大きく溶け、被写体を自然に浮き立たせることができます。ボケの形状は比較的円形に近く、玉ボケも出ます。日常のポートレートや家族写真では「このボケで不満を感じる」シーンはほとんどありません。

ただし、85mm F1.4 GMと比べると差は正直あります。

GMの85mmはボケの「溶け方」が別格で、ピント面からのグラデーションが極めて滑らか。一方F1.8はボケの輪郭部分がわずかに硬い印象があり、背景によっては若干の騒がしさを感じる場面があります。「完璧なボケ」を求めるなら差を感じますが、SNS用途・A4プリントまでなら実用上問題ないレベルです。

解像感:中心部は優秀、周辺は絞って使う

中心部の解像感は開放からしっかりしています。ポートレートで顔・瞳にピントを合わせる用途では、開放からきちんと瞳の細部まで描写されます。

周辺部はF1.8開放ではやや流れる傾向がありますが、F2.8まで絞ればほぼ解消します。ポートレートでは中央に被写体を置く構図が多いため、周辺の甘さが実用上の問題になる場面は少ないです。


AF性能:速くて正確。ポートレートに十分

AFの速さと精度

85mm F1.8のAFはα7IVの被写体認識(瞳AF)との組み合わせで非常によく動きます。

GMレンズに比べてAFのスピードがわずかに劣る場面はありますが、日常的なポートレート撮影でAFを外して悔しい思いをする頻度は低いです。「撮れない」という不満は起きません。

動き回る子ども・ペットなど、高速で動く被写体への追従はGMレンズのほうが上ですが、定常的なポートレートや屋外撮影ではその差を感じることは少ないです。

動画でのAF

動画での使用も問題ありません。フォーカスブリージングは85mm F1.4 GMと比べるとやや目立つ場面がありますが、日常的なVlogやシネマティック動画では許容範囲内です。本格的な映像制作でブリージングが気になるなら、GMのほうが安心です。


逆光耐性:ここは正直に「GMには劣る」

GMレンズのナノARコーティングIIに比べると、85mm F1.8の逆光耐性は一段落ちます。

強い光源を画角内に入れると、フレアとゴーストが出やすくなります。夕景を背景にした逆光ポートレートでは、GMレンズではほぼ出なかったフレアが発生することがあります。

対処法としては「光源を画角のギリギリ外に置く」「ハーフNDを使う」などがありますが、逆光耐性をシビアに求める撮影スタイルの方はGMレンズを選ぶほうが現実的です。


α7IV・α7CIIとの相性

α7IVとの組み合わせ

バランスは非常によいです。約371gという軽量なレンズとα7IVの組み合わせは合計約1,030gで、長時間の撮影でも腕・手首への負担が少ない。

α7IVの3300万画素センサーとの解像感の相性は問題なく、中心解像度の高さを十分に活かせます。

α7CIIとの組み合わせ

これがこのレンズの隠れた最大の強みです。

α7CIIのコンパクトなボディ(約514g)に85mm F1.8(約371g)を装着した合計重量は約885g。GMレンズでは実現できなかった「コンパクトな85mmシステム」が組めます。

α7CIIユーザーで「ポートレートに強いレンズが欲しいけど、GMは重くてバランスが悪い」という方にとって、85mm F1.8は現実的な最適解になり得ます。


競合レンズとの比較

85mm F1.4 GMとの比較(最重要)

ぼくが両方を所有しているため、正直に比べます。

項目85mm F1.885mm F1.4 GM
重量約371g約820g
開放F値F1.8F1.4
ボケの質美しい別格の滑らかさ
解像感中心は優秀開放から最高水準
AF速度速いより速い
逆光耐性標準的優秀
防塵防滴なしあり
価格約70,000円約290,000円
価格差約220,000円高い

描写の絶対値ではGMが上。でも重量・価格では85mm F1.8が圧倒的に優れています。

ぼくの結論: 「最高の一枚を追求するか」「コスパよく実用的な描写を得るか」の価値観次第です。ぼくはGMを選びましたが、それは「ポートレートの仕上がりに対してこだわりが強い」からであって、85mm F1.8で「撮れない絵がある」とは思いません。

SIGMA 85mm F1.4 DG DN Artとの比較

SONYのEマウントにはSIGMAの85mm F1.4 DG DN Artという第三の選択肢もあります。

項目85mm F1.8(Sony)SIGMA 85mm F1.4 Art
重量約371g約625g
開放F値F1.8F1.4
解像感中心優秀非常に高い
AF速い速い
価格約70,000円約130,000円前後

「F1.4の明るさ・大きなボケが欲しいが、Sonyの85mm F1.4 GMの価格は出せない」という場合、SIGMAが選択肢に入ります。ただし重量はSIGMAのほうが重く、Sony 85mm F1.8の「軽さ」という最大の長所は失われます。


こんな人におすすめ・おすすめしない人

おすすめする人

  • ポートレートを撮り始めたばかりで、まず「85mmの画角とボケ」を体験したい
  • α7CIIユーザーで、コンパクトな85mmシステムが欲しい
  • 旅行やスナップでも持ち歩ける軽量な単焦点を探している
  • 予算を抑えて、まずポートレートレンズの入門をしたい
  • 家族・子ども・ペットなど日常シーンのポートレートがメイン

おすすめしない人

  • ボケの「滑らかさ・溶け感」を最優先する人(素直にGM F1.4を選ぶべき)
  • 雨天・海辺など過酷な環境での撮影が多い人(防塵防滴なし)
  • 逆光構図を積極的に使う撮影スタイルの人
  • 本格的な映像制作でフォーカスブリージングを嫌う人

メリット・デメリットまとめ

メリット

  • 約371gの軽量さはポートレートレンズとして際立ったアドバンテージ
  • 約70,000円という価格はポートレート単焦点の入門として最適
  • 中心解像度はポートレート用途で十分な水準
  • AFは速く、被写体認識との相性も良好
  • α7CIIとの組み合わせでコンパクトな85mmシステムが組める

デメリット

  • 防塵・防滴非対応(屋外撮影での天候リスクあり)
  • 逆光耐性がGMより劣り、フレア・ゴーストが出やすい
  • ボケの「溶け感」は85mm F1.4 GMに及ばない
  • 周辺解像は開放では甘め(F2.8以上で改善)
  • プラスチック外装でGMのような高級感はない

総合評価

評価項目評点(5点満点)
描写・解像感★★★★☆
ボケの質★★★★☆
AF性能★★★★☆
逆光耐性★★★☆☆
携帯性・軽量性★★★★★
コストパフォーマンス★★★★★
総合★★★★☆(4.2/5)

価格と重量において突出した強みを持つ1本。描写面では「85mmの画角とボケを楽しむ」用途には十分な実力があります。


よくある質問FAQ

Q1. 85mm F1.8と85mm F1.4 GM、予算があれば迷わずGMを選ぶべき?

A. 「予算があるなら」という前提なら、GMを選んで後悔することはありません。ただし、重量差449gは使い勝手に直結します。 α7CIIとの組み合わせを想定しているなら、軽量さを優先して85mm F1.8を選ぶことに十分な合理性があります。予算・機材構成・撮影スタイルの3軸で判断してください。

Q2. 防塵防滴なしは実際どれくらい気になる?

A. ぼくの使用感として、晴天・曇天の通常撮影では一切気になりません。問題になるのは「小雨の中でも撮り続けたい」「海辺で波しぶきがかかる環境」「砂漠・砂埃が多い場所」など過酷なシーンです。日常的なポートレートを晴天・室内で撮る用途ならほぼ支障はありません。

Q3. α7CIIのAPS-Cモードで使うと何mm相当になる?

A. α7CIIでAPS-Cモードをオンにすると1.5倍のクロップ効果が働くため、85mm × 1.5 = 127.5mm相当の画角になります。望遠ポートレートが欲しいシーンで活用できますが、有効画素数が下がる点には注意が必要です。


まとめ:85mm F1.8は「コスパ最強のポートレートレンズ」

SONY 85mm F1.8は、約70,000円・約371gという「価格と重量」において、ポートレートレンズとして突出したコスパを持つ1本です。

GMの絶対的な描写には届きませんが、日常ポートレート・家族写真・ライトなブライダル用途であれば、このレンズで撮れない絵はほとんどありません。α7CIIとの組み合わせで軽量な85mmシステムを組みたいなら、このレンズはベストな選択肢のひとつです。

「高画質なポートレートレンズが欲しいが、GMは重くて高すぎる」——そう感じているSONYユーザーに、自信を持っておすすめできます。


購入を検討する方へ
ソニーストア・Amazon・マップカメラなど各販売店でご確認ください。価格.comで最安値を比較してから購入するのもおすすめです。


チュートラール / ブログ「αの視点」
使用機材:SONY α7IV・SONY α7C II
所有レンズ:24-70mm F2.8 GM II / 70-200mm F2.8 GM II / 50mm F1.2 GM / 20mm F1.8 G / 85mm F1.4 GM / 16-35mm F2.8 GM II

※価格・スペックは執筆時点の情報です。最新情報はメーカー公式サイトにてご確認ください。

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